文部科学省によると大学への進学率は50%を超え、短大も含めると60%近くになるそうです。
周りの同級生がほとんど大学に行く、なんて環境も普通になっています。
でも、大学進学はお金がかかります。
進学したいけど経済事情を考えると「大学に行きたい」とは言い出せない人もいると思います。
仕送りなしで大学生で一人暮らしできるのか悩んでいる人またはその親御さんに、一人暮らしの大学生にかかるお金などについてご紹介していきます。
大学生が一人暮らしをするのに仕送りなしは不可能なのか
仕送りなしで大学生が一人暮らしができるかどうか、不安な人もいるでしょうが、
ここで問題になってくるのが、やはり親からの援助がどれくらい受けれるか、です。
実際に周りには「全く期待できない」という大学生から、「授業料は出してもらえた」という大学生まで様々でした。
1番すごかったのが、「学費は高校までしか出してもらえない」家庭であったため、
中学生の時から投資などの知識を増やし、大学進学までに1000万円を作り上げた大学の同級生がいました。
その人はそういう知識を蓄えられる家庭環境にいたので、少々特殊ではありますが、
引っ越しなどの初期費用も考えると、だいたいそれくらいは必要になってきます。
なお、そこまでの知識がなくても、それくらいの資金を作り上げることはできます。
上の質問に対する回答としては、「仕送りなしでも大学で一人暮らしは可能です」。
ただし、覚悟はしてください。
大学生が一人暮らしをする時に必要な費用と内訳(初期費用と毎月の生活費の支出)
ここでは、大学生が一人暮らしをする際に必要な経費や生活費などについて詳しくみていきます。
引っ越しや家電などの初期費用
まずは、引っ越しなどの初期費用ですが、敷金や礼金、引っ越し費用を合わせて、30〜50万円くらいにはなります。
家電については、最近は家電量販店でも新生活応援セットというものがあります。
仕送りなしで一人暮らしする場合は自炊が必須にはなりますので、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機ぐらいは必要です。
最近は電子レンジでご飯も炊けますので、最低限はこれくらいで、だいたい4万円になります。
中古品だともっと安くなりますので、探してみましょう。
学費
大学の学費ですが、国公立の大学と私立大学で雲泥の差があります。
4年間で計算すると、入学金と授業料を合わせて
国立は243万円、公立は255万円、
私立は文系なら323万円、理系なら446万円くらいにはなります。
医師や歯科医師になる場合は6年制ですので、さらにお金がかかります。
生活費
あとは、月々の生活費です。
家賃や食費、光熱費、交際費などを含めますと平均で10万円くらいのようです。
合計
上記を合わせると、大学生をするのには最低限でも757万円が必要にはなります。
4年間で割ると月々16万円。
これだけの収入を総てアルバイトで賄うとすると、時給900円で月に178時間働くことになります。
これでは、学業に支障が出ることは間違いありません。
大学生の時仕送りをしてもらっていた私からしてみれば、
「大学進学は当然」といってこれだけのお金を準備してくれた両親に対して、頭が下がる思いです。
大学生が一人暮らしをする時に仕送りなしで生活していくためのポイント
ここまできて、親の援助なしに大学進学は容易ではないと思っていただけたのではないでしょうか。
では、仕送りなしで生活していくためにはどうすれば良いか、考えていきましょう。
どうしてもやりたい学問や研究がその大学でしか行われていない場合はしかたありませんが、
そうでない場合は国立大学、そして家賃の安い地方の大学を選んで進学してください。
そして、在学中は年金免除する手続きを必ず行ってください。
健康保険は親が入っている保険で、良いでしょう。遠隔地の手続きは必要です。
学校によっては、授業料免除の条件に当てはまる場合があるので、
大学のお知らせはチェックしておきましょう。
重要なのは、奨学金を得ることです。
奨学金は、給付型と貸与型があります。
給付型は文字通り、お金を「もらえる」のですが、条件はかなり厳しく、これを得られる学生はほんの一握りです。
私はこれを得られている人に出会ったことがありません。
多くの人が得られるのが貸与型ですが、これにも1種と2種があります。
1種は利息なしで貸してくれます。しかし、これも成績や経済事象などの条件があり、優秀でよほどの経済事情がある人に限られてきます。
2種は利息付きで貸してくれる奨学金で、私も2年間貸してもらっていました。
条件はゆるく、実習が多くなってアルバイトができないから利用している人もいました。
貸与額は2万円〜12万円で、利息はだいたい0.23%。返還期間は15年です。
調べによると大学生の4割くらいは奨学金制度を利用し、その金額は5万円が多いようです。
私の場合は、日本学生支援機構を利用し、貸与額は8万円でした。
それに親からの仕送りが6万円あり、余裕で生活ができました。
親としても、仕送りが半分になったので、楽になったと言われました。
月5〜6万円なら、アルバイトでも現実的な値だと思います。
ここで注意したいのは、大学生活の資金の全てを奨学金で賄うのは危険であるということです。
昨今では、奨学金が返せなくて自己破産する社会人もいます。
私の場合は、「月8万円の貸与を2年間」で、月々の返還は1.3万円くらいになりました。
奨学金分の支払いがあっても問題ないよう、卒業後は実家で生活し、一括返還もできました。
友人の中には12万円を在学期間中ずっと借りている人がいて、月々の返済が4万円になっていました。これが15年間続きます。
奨学金は、未来の自分に対する借金です。
そのために「覚悟をしてください」と先に言ったのです。
なお、奨学金の中には返済を免除される職業があります。
学校の教員や大学の教職員、文部科学省の指定した研究員などです。
初めからこれらの職業を希望する場合は、奨学金を利用するのは大いにアリです。
大学生の一人暮らしの費用・仕送りなしは大丈夫?:おわりに
親からの仕送りがなくても、大学で勉強できる制度が日本にはあります。
ただし、決して楽なものではありません。
大学で勉強するということは、親あるいは未来の自分に対して負担をかけることでもあります。
それを踏まえて、進学の価値を考えてみてください。
「仕送りはないけど大学に行く」ことはしんどいとは思いますが、頑張る価値は十分あると思いますよ。
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