魚が鮮度の良いものが安く手に入った時、干物にして保存したくなりますが、梅雨の時期や夏は乾燥までに、腐りそうで干物作りをあきらめていました。
でも、夏こそ自家製の干物を食べたいあなたのために、梅雨の時期でもできるとっておきの干物づくりをご紹介します。
梅雨の時期でも干物作りはできるのか?
梅雨の時期でも干物作りは可能ですが、気をつけなければならないことがあります。
梅雨の時期は、雨の日が多く湿度が高いので干物作りに適した気象条件ではありません。
その上、気温も上昇するのでますます腐敗しやすくなります。
ところが干物の代表ともいえるアジは、梅雨の5月終わりから7月末までが旬の時期を迎えます。
この時期のアジは小ぶりですが、脂がのって新物らしいキレイな味です。
脂がのって小ぶりなアジは、干物として最適です。
せっかく美味しい旬のアジが手に入るのに、干物作りができないことはとても残念です。
そこで、梅雨の時期の干物作りを考えていきましょう。
干物づくりは、魚の水分を飛ばすことといっても過言ではありません。
ところが梅雨の時期は、湿度が高いためになかなか水分を飛ばすことができず、完成までに時間がかかります。
また、気温が高いので長時間、外に生の魚を出しておくと腐ってしまいます。
ですから、梅雨の時期に干物を作るためには短時間で衛生面に配慮した環境で干すことが大切です。
従って、短時間で衛生的に乾燥させることができれば、梅雨の時期でも干物づくりは可能です。
梅雨・夏の時期に干物作りをするポイントその1:塩分
梅雨・夏の時期に干物作りをするポイントは塩分と風、温度の3つです。
塩分はきつめにしておきますが、一夜干しの時は、塩分を半分くらいにすることを忘れないでください。
塩分をきつくする理由は、少しでも早く水分を飛ばすためです。
また、塩には腐敗効果もあります。
魚屋さんから聞いたのですが、干物にしない魚も買ったらすぐに下処理をして軽く塩をあて、ラップをしないで冷蔵庫に保存すると鮮度を保てるそうです。
お昼頃処理をして、夕食に煮魚にするとき少し煮汁の塩分を控えて作ると良いと教えてもらいました。
実際に調理してみると、下処理をしてすぐの時より余分な水分が飛んで魚の身がしまって、それでいてピカピカと光っていました。
食べてみるとうま味が凝縮して、いつもより美味しく仕上がっていました。
家族からは、魚の臭みが抜けていると好評でした。
軽く塩をあてたことで臭みが抜けて、うま味だけが残ったようです。
梅雨・夏の時期に干物作りをするポイントその2:風
干物と言うと、日光で乾かすイメージをお持ちかもしれません。
でも、本当に干物作りに欠かせないものは風です。
観光施設のおさかなセンターの前でイカやカレイを干すために、ブンブンと回っている機械を見たことはありませんか?
実はあれは、回転させることで風をおこして、乾かしているのです。
特に、夏の暑い時期に直射日光に当てると魚に加熱した状態になります。
魚屋さんに言わせると「乾く前に煮えてしまう」そうです。
冬は冷たい風と鈍い日の光で乾燥させて、夏は陰干しで仕上げる方が美味しくできると教えてくれました。
梅雨・夏の時期の干物作りは、風の良く通る日陰が最適です。
梅雨・夏の時期に干物作りをするポイントその3:温度
梅雨・夏の時期の干物作りの最後のポイントは、温度です。
どうしても、気温が高くなると食べ物は腐りやすくなってしまいます。
夜の方が多少涼しいのですが、それでも20℃近くあります。
冷蔵庫は10℃以下ですので、買ってきた鮮度の良い魚をわざわざ腐らせるようなことはできません。
そこで、冷蔵庫での干物作りをおすすめします。
「冷蔵庫は風がないから、さっきと話が違う」と思われるかもしれません。
正しくは、風乾燥か冷蔵庫乾燥か、どちらかの方法を使いましょうということです。
梅雨時でも乾いた日には風通しの良い場所で干物作りをおすすめします。
でも、湿度が高い日は外に干さないで、冷蔵庫にラップをしないで入れるだけで十分干物作りができます。
梅雨の時期の干物作りに使える道具その1:脱水シート
梅雨の時期に干物作りに使える道具で、最も簡単で値段の安いものは脱水シートです。
ピチットシートと言われていますが、魚をくるんでおけば余分な水分がなくなるので、冷蔵庫での干物作りに最適です。
ラップをしないで冷蔵庫での干物作りは、どうしても冷蔵庫の中が魚臭くなってしまいます。
我が家は魚をよく食べるので、小さい冷蔵庫を魚専用にしていますが、そんなご家庭ばかりではないので、脱水シートはおすすめです。
梅雨の時期の干物作りに使える道具その2:扇風機
この他に梅雨の時期の干物作りに使える道具は、扇風機です。
日陰に干すときに、少しでも風が多いほど乾燥は早くなりますが、そんな時は扇風機で風を起こすことで時間短縮になります。
1時間くらい扇風機を使うと表面が乾燥した状態になります。
梅雨の時期の干物作りに使える道具その3:ジッパーバッグ
仕出し料理屋の板前さんに教えてもらいましたが、干物は保存が肝心だそうです。
ほどよく乾いたら、一枚ずつ重ならないようにして真空パックするのです。
そして冷凍しておくと、1か月くらいは保存可能になります。
時間が経つほど冷凍中でも水分が抜けるので、塩味がきつくなってしまうとアドバイスをくれました。
家庭では真空パックは無理なので、1枚ずつラップしてからジッパーバッグに入れてしっかり空気を抜いて冷凍保存すれば大丈夫です。
板前さん情報によると、冷凍した干物はグリルで炙るより、少し酒を振ってアルミホイルを敷いたフライパンでフタをして焼くと美味しいそうです。
ふっくらと焼きあがるので、干物ご飯やチラシ寿司に使うと良いと教えてくれました。
カマスを使って、刻んだ青しそ、切りごまを一緒にまぜて、刻みのりを散らして仕上げます。
小ぶりのアジはホットプレートで炙りながら食べると、おいしいとのこと。
お皿に盛りつける間に固くなるから、とプロ目線でした。
梅雨・夏の時期の干物作り:まとめ
梅雨・夏の干物作りのポイントは塩分、風、温度の3つです。
夏は腐敗防止のために、少し塩分をきつめにしておきましょう。
梅雨の時期の干物作りは、風の良く通る所で陰干しをすれば、美味しくできます。
湿度や気温が高い時は、塩をした後に冷蔵庫でラップをしないで乾燥させる方法もあります。
脱水シートや扇風機、保存用のジッパーバッグなど身の回りにあるものを利用して、梅雨や夏の暑い湿度が高い時期でも干物作りを楽しんでください!
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